
士業のオンライン相談ポータル「士業オンライン相談」の予約システムを作るとき、私たちは一つの大きな決めごとをしました。Zoom や Google Meet の API には頼らず、事務所がいま使っているミーティングの部屋をそのまま使う、というものです。この開発ログでは、その理由と、実際にテストして分かった「つまずきやすいところ」を残しておきます。
なぜ Zoom の API を使わなかったのか
予約が入るたびに Zoom の API でミーティングを作る方法は、よく見かけます。ただそれだと、事務所に Zoom のアプリ連携の設定をしてもらう必要があり、Google Meet を使う事務所には別の仕組みが要ります。士業の先生に「新しい設定」をお願いするほど、導入のハードルは上がります。
そこで、先生ごとに「いつも使っている部屋のリンク」を一度だけ登録してもらう形にしました。Zoom ならパーソナルミーティングのリンク、Google Meet なら決まった会議のリンクです。予約が決まると、そのリンクが相談する人と事務所の両方にメールで届きます。Zoom でも Meet でも、仕組みは同じです。
予約表と「日程をまとめて設定する」
相談する人が見るのは、先生ごとの空き時間が並んだ予約表です。空いている時間を押すだけで予約が決まり、有料の相談なら、そのまま相談料をカード・JPYC・銀行振込で先払いします。
事務所の側でいちばん苦労したのは、受付時間の設定画面でした。最初は「曜日ごとの時間」「特定の日の足し引き」「受付の停止」が別々の場所にあり、どこで何を決めればいいのか分かりにくいという声をもらいました。そこで、先生 → 曜日 → 時間帯 → 並べ方(続けて/1時間ごと/先生ごとに交互)→ 何週先まで、と順番に選ぶだけの「日程をまとめて設定する」を作りました。
テストで分かった、Zoom のつまずきポイント
実際に、パソコンを事務所役、スマホを相談者役にして予約からビデオ相談までを何度も通しました。そこで分かったのが、事務所側が Zoom にログインしていないと、ゲストとして入ってしまい、ミーティングが始まらないということです。パーソナルミーティングの部屋は、持ち主(ホスト)がログインして入らないと開きません。事務所の方には「Zoom にログインしてから、メールのリンクを押す」とご案内することにしました。
もう一つは、テストをする側のつまずきです。同じブラウザで事務所としてサイトにログインしたまま相談者として予約しようとすると、当然ながら止められます。スマホで相談者役を試すときは、シークレットタブで開くか、事務所とは別のアカウントを使う必要がありました。小さなことですが、導入する事務所が最初の動作確認で同じところでつまずかないよう、案内に書き足しています。
予約の後に、迷わせない
予約が済んだ画面も、何度か作り直しました。最初は申し込みのフォームがそのまま残っていて、「もう一度予約するの?」と迷わせてしまう形でした。今は、予約が済むと入力欄を隠して「予約が決まりました」とだけ出し、事務所のページや事務所のホームページに戻るボタンを置いています。
予約システムは、目立つ機能より、こうした「迷わせない」小さな積み重ねで使いやすさが決まると感じています。
これから
今後は、事務所のホームページにバナーを貼るだけで予約表が開く導入を広げつつ、JPYC での相談料の支払いが実際にどう使われるかを見ていきます。JPYC を「サービスの代金」に使う例として、気づいたことはまたこの開発ログに残します。
よくある質問
Zoom の有料プランは必要ですか?
事務所がいま使っている Zoom のアカウントをそのまま使います。相談の時間が、お使いのプランの時間の上限を超えないかだけ確かめてください。
Google Meet でも使えますか?
使えます。先生ごとに、いつも使う Google Meet の会議のリンクを登録すれば、予約のメールにそのリンクが入ります。
事務所側がミーティングに入れないときは?
Zoom の場合は、まず事務所の方が Zoom にログインしているかを確かめてください。ログインしていないとゲストとして入ってしまい、パーソナルミーティングが始まりません。